最低限必要なモノ
最低限必要なモノはおおまかに2つのジャンルに分けられる。出産のための入院時に必要なものと退院のときから必要になる育児グッズである。
入院時に必要なものは産院によって異なるので要確認。必要でも病院で用意してくれるものもあれば持参しなければならないものもある。ちなみに私が入院した病院では次のとおり。
■病院で用意してくれたもの
・ねまき←前開き、半袖(真冬だったけど)の膝下丈のもの。ズボンはなし。
・お産用ナプキン←出産後、約1カ月間くらい悪露(おろ)とよばれる出血がある。私は子宮の中の残りカスが出ているのだと思っていたのだが、胎盤がはがれたあとの子宮や窒からの分泌物らしい。状態としては月経のスッゴイのって感じ。そのとき使うのがこれ。世の中の生理用ナプキンはどんどん薄く軽くなっているのにこれはでっかいままだぞ。
・産褥ショーツ1枚←生理用ショーツの産後版ってところ。マタの部分がスナップで開閉できるようになっており、入院中、産後の状態を医者に診てもらうときにその部分をピラッと開けたりする。そのさまは結構カッコ悪い。
・ティッシュ1箱
・赤ちゃんのおへそ消毒セット←へその緒を切ったあとは傷口のようになっているので、お風呂上がりなどに消毒液をつけた綿棒でおへそを消毒し、絆創膏をはっておく。最初のうちは傷口が痛々しくて触るのも恐る恐るという感じ。やっとなれたなーと思った頃にはきれいなおへそが出来上がっている。
・バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオル各1枚
■自分で用意したもの
・ガウン
・産褥ショーツ2枚←病院でくれるのは1枚なので着替え用。
・腹帯←出産後はお腹がぺちゃんこになると思ったら大間違い。伸びきった風船のようにボヨンボヨンになるのだ。それを引き締めるために専用の産褥ニッパーが売っているのだが、結構高い。病院の説明ではそれまで使っていた腹帯で充分とのことであった。私は退院後、母のアドバイスによってサラシを巻いた。
・授乳用ブラジャー←妊娠中に購入しているマタニティー用のブラジャーがこれになるはず。授乳しやすいように前にスナップがついていたり、母乳パッドを押える紐がついてるでしょ。
・母乳パッド←出産後は徐々に母乳が出てきてそのうちブラジャーを通してパジャマまで濡らしてしまうようになる。その状態ってちょっとオマヌケなので余分に用意しておこう。
・スリッパ←間違っても携帯用折り畳みスリッパはやめよう。陣痛が始まって焦っているときにはちゃんとしっかり形のあるスリッパじゃないとすぐ履けない。
・洗面用具
・時計←腕時計よりも小さい置き時計がお奨め。ベッドサイドにおいて、う〜陣痛が3分おきだーなんて見たりする。出産後の入院生活も回診だ授乳だと分刻みのスケジュールだったりするので、音の小さなアラームが付いていると、なお便利。
・退院の時、赤ちゃんが着て帰る服←出産してから産院にいる間は赤ちゃんは産院の産着を着ているが退院するとき着て帰る服は当然持参。このとき用意したものは短肌着(前開きの短い肌着)、長肌着(前開きの長い肌着)、ツーウェイオール(スナップの留め方でドレス状にも股が分かれた状態にもなる赤ちゃんの洋服。長い期間着られるのでおすすめ)、アフガン(正方形で、赤ちゃんをスッポリくるむもの。おくるみとして使うほかにおむつ替えシートやひざ掛けとしても使える)、紙おむつ2枚、帽子。
それから家に帰ってからすぐ必要になるものとしては
・おむつ←ウチは最初から紙おむつ派。初めは布で頑張ろう!とたくさん布おむつを用意した友人達が次々と挫折していく姿をみた。自分のマメさ加減を慎重に見極めて選択しよう。
・使用済みのおむつ入れ←特定の商品を宣伝するつもりはないがApricaの
“'におわなくてポイ”はなかなかすぐれ物。部屋の中に置いてもほんとににおわないのだ。本体は9,000円位するし、カートリッジはフィルムが無くなったら取り換えなくてはならないのでランニングコストもかかるのだが、紙おむつ派なら自分で買ってでも使う価値あり。
・おしりふき←最初は市販のおしりふきを使っていたのだが、高いし冬は冷たいということもあって洗浄ビン(薬局で300円位)にお湯を入れて、お尻を流しながらティッシュで拭くというやり方に変えた。
・ベビー布団一式←ベビーベッドは結構でかいのでウチはせまいわ〜という人には布団がおすすめ。ベッドはタッチができるようになると柵をガタガタ揺らしたり、落下事故が起きやすくなって布団より気を使うという話も。
・ベビーバス←新生児のうちは普通のお風呂は衛生面が心配なため専用のベビーバスを使う。でも生後1〜2カ月で使わなくなるのであまり高価なものは必要ない。
・湯温計←こんなもの必要ないと思って買っていなかったのだが結局慌てて買ってきた。新生児用のお湯の適温は38〜40度なのだが手の感覚だけだと適温にするのが結構難しい。
・ベビーシャンプー←全身に使えるものが便利。片手で赤ちゃんを支えているのでポンプを押すと泡になって出てくるタイプのものが使いやすい。
・沐浴布←浴用タオルくらいの大きさのガーゼの布で、沐浴のとき赤ちゃんを包む。新生児は体がぎゅっと包まれた状態の方が落ち着くらしい。丸裸で沐浴させようとすると大泣きしてしまう。体から腕が離れると自分の身体がバラバラになるような恐怖感を感じるんだとか。
・ガーゼのハンカチ←これで顔を拭いたり体を洗ったりする。
・クシ←先端の丸まったベビー用のものが良い。
・バスタオル←片面がガーゼになっていて正方形のものが使いやすい。正方形だと赤ちゃんの全身をスッポリ包める。
・綿棒←お風呂上がりに耳の中の水分を取ったり、鼻の中を掃除するのに必要。ベビー用の細いものがある。
・つめ切り←入院中は看護婦さんが切ってくれていたが家では自分がやるしかない。新生児のツメを切るのは最初はものすごく勇気がいる。指を切っちゃいそうなんだもの。寝ているときにそっとやるのが無難。
・哺乳ビン←母乳の出具合によって必要な本数は異なる。はりきってたくさん買ってもほとんど使わなかったなんてことがないよう、最初は1本だけ買っておこう。お風呂上がりに湯冷ましを飲ませたりもするので1本はあってもいいよ。
ここでもまたお金がかかったぞ!といいそうなところだが、におわなくてポイ、ベビーバス、哺乳ビン、は夫の会社の人からお下がりをもらい、ベビー布団は母に買ってもらってかなり助かった。妊娠がわかったら、少し前に育児が一段落している人にお下がりを回してもらえるよう声を掛けておくのもいいかもしれない。
それからベビーカーや抱っこホルダーはこの時期に慌てて買わないこと。すぐには使わないし、あとで買えば買うほど軽くてイイモノが出てくるのだ。
夫と私の母と一緒に
事情が許せば出産用品の買い物は最低限、夫と母親(お姑さんでも可)と一緒に行きたい。時期が時期だけにもちろん一人で大荷物は持てないし、万一外出先で体調を崩したら大変!ということもある。そういう意味では夫には荷物持ちとして活躍してもらうわけだが、赤ちゃん用品を一緒に買うことによって我家にも赤ちゃんがやってくるんだということを実感してもらえればラッキー(もっともウチの場合、妊婦本人の実感が薄かったのだが)。しかし注意点としては「きゃー!これカワイイ!」などと母親と二人で盛り上がってはいけない。俺はタダの荷物持ちかよーなんて(本当だったとしても)ひがまれないように、たとえ1品でも夫に選んでもらい、あとでコドモに「これはパパが一生懸命選んだのよー。」なんて語れるような複線はハっておきたいものである。あと、母親と一緒に行くのがよいというのはいうまでもなく母親は育児の大先輩だからだ。必要な品物は”出産用品リスト”を見ればわかるのだが、実際に品物を見て、これは縫い目が肌にあたって痛そうだとか、これは生地が厚くて着る時期には暑すぎるとか、そういったことはリストでは判断できない。もちろん母親の世代とは比べ物にならないくらい品物は充実しているし質も良くなっているので全て当てはまるとは限らないが、普遍的な項目は案外多いものだ。
スタイ
これはいったい何語なんだ!?いわゆるヨダレ掛けのことである。赤ちゃんといえばヨダレ掛けよねーということで1つ買ったのだが、新生児期にはヨダレがだらだら出たりしないので最初に買う必要はない。
靴下
ちっちゃくてカワイイからつい買ってしまったのだが新生児期は外出することはほとんどないし、冬でも部屋は暖房しているので新生児用靴下は必要ない。せいぜい見て楽しむくらいである。
ヒヨコの帽子
子供が生まれたらクマさんとかウサギさんのお耳のついた帽子をかぶせるんだー!とささやかな夢を抱いていたワタクシ。黄色い帽子に目とくちばしと羽根としっぽの付いたこれを見つけたときは、こりゃカワイイと即購入。しかし生まれてきたコドモはやけにキリッとした顔立ちでぜんぜん似合わなかった。結局1度写真を撮っただけでお蔵入り。高かったのにー!!
こういうたぐいのモノを買うときは生まれてくるコドモの顔を確認してから買いましょう。
仰向け
このころから夜寝るときも仰向け寝が辛くなってくる。7〜8Kgの砂袋をお腹にのっけてるところを想像してみてほしい。おのずと横向きに寝るしかない。寝返りを打つにもよっこらしょと一苦労である。
無痛分娩
麻酔を使ったお産。局所麻酔と全身麻酔があるそうだが私の入院した病院では局所麻酔で、脊椎骨にある硬膜外腔という狭いスペースに細いチューブを刺し、麻酔液を注入して産痛を和らげるというものである。この病院では約7割の人がこれを選択するという。
迷った揚げ句、結局私も無痛分娩を選択するのだが…。
詳しくは次回の出産編で。
呼吸法
このときは深呼吸しろとか、こーなったらイキまないでフッフッフと短い呼吸で痛みを逃がしなさいとか色々教えてくれるのだが、いざ本番になったらそんなこと思い出せない!?でも助産婦さんが付きっきりでリードしてくれたので、あ、あの時ならったあれねなんて比較的上手くできたけれど。陣痛が始まったらとにかく助産婦さんがたより。呼吸法をマスターすることに一生懸命になることより、いい助産婦さんのいる産院を探したほうが賢明かもしれない。
オーバーコート
マタニティコートとかママコートなんてものものを早まって買う前に妊娠前のコートを着てみよう。比較的ゆったりめのコートならそれで間に合ってしまうかもしれない。ママコートって構造がよくできていて、こりゃいい!と思うかもしれないが、必要な期間は結構短い。
メガネ
妊娠したときまず考えたことが、出産のときコンタクトレンズはしていてもいいのだろうか、ということ。はーい、元気な男の子ですよーなんて見せられたとき視界がボケボケでは感動のご対面も台なしである。同じことを考えていた人がいて母親学級で質問してくれた。回答は、陣痛で苦しんでいるときにコンタクトがずれても助産婦さんは直してあげられないのでメガネにして下さいとのこと。ごもっとも。
メガネ屋さんに行ったら同じ理由でメガネを買いに来る妊婦さんが結構いるそうだ。
授乳口付きのパジャマ
両胸にスナップが付いていて開閉でき、パジャマの前を開けなくても授乳が出来るということで、寒い冬には便利じゃないのーと1着購入。しかし最初の頃は母親も赤ちゃんも授乳という行為に慣れていないのでお上品な授乳スタイルは望めない。前を思いっきり開けて両者で試行錯誤しないといいポジションがつかめないのだ。パジャマは普通ので十分である。
どの先生にあたるかわからない
個人病院だと、よほどのことが無いかぎり出産の担当は院長先生ということになるのだろうが大きい病院ではそうはいかない。産科には数人の先生がいるので、自分が産気づいたときに分娩室当番(?)だった先生に取り上げてもらうことになる。したがってどうしてもお願いしたい先生がいる場合、計画出産する人もいた。さて、分娩でどの先生にあたってもいいようにと色々な先生の健診を受けてきた私だが、出産が夜中の1時過ぎというせいもあったのか、取り上げてくれたのは非常勤の全く知らない先生だった
妊娠中毒症
むくみ、タンパク尿、高血圧が3大症状。ひどくなると血管が収縮して血液のめぐりが悪くなって胎盤に十分な血液が送られず、胎児に悪影響を及ぼすらしい。
中毒だからって“妊娠は楽しくてやめられない”っていう状態になるわけではない。
子宮口の開き具合
出産が近づいてくると子宮の入り口が開き始める。子宮の入り口が開いてるなんて、歩いたときに赤ちゃん落とさないかなーなんて妙な心配をしてしまう。しかしこれは順調なお産の兆候であるらしい。もっとも、分娩の時は子宮口が10センチになっても苦労して赤ちゃんを産むのだから、ちょっと歩いたくらいじゃ落ちないって。
あと9日
このあたりからドキドキは最高潮。赤ちゃんが楽しみというよりも、よく言われる「今まで生きてきた中で一番痛かった」という痛みってどんなだろうと頭の中は、きっとすごく大変であろう出産のことで一杯だ。
子供を連れている母親を見るたびに、あの人もこの人も産んだんだ。自分にも出来る!と自分で自分を励ましていた。 |