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第3回
妊娠後期編(妊娠8カ月〜10カ月)
平成10年11月3日
妊娠8カ月に入る。このころに、出産準備用品や育児用品を準備するのが一般的らしい。これ以降になると買い物で長時間歩き回ったりするのが辛くなるし、精神的にも余裕がなくなってくるってことかな。
育児雑誌の付録冊子と病院でもらった手引書で最低限必要なモノをチェックして、夫と私の母と一緒に某有名激安(?)赤ちゃん用品店の“ア●チャンホンポ”に出掛ける。
うわ〜、店内混み混み。祝日なのもあって人が多い。さらに、当然のごとくみんな子連れか妊婦。
狭い通路で妊婦同士がすれ違うのは大変なのだ。しかもレジには長蛇の列。しかしここでくじけるわけにはいかない。働く妊婦はたとえ混んでいても休日を利用して買い物をするしかないのだ。
それにしても新生児衣料ってちっちゃーい。こんなに小さなモノを着る生き物がやがて現れるなんて実感がわかない。実感がわかないまま数点購入。ツーウェイオール2,394円、同じくツーウェイオール2,604円、短肌着441円、短肌着2枚組819円、長肌着630円×3枚=1,890円、アフガン2,079円、バスタオル1,764円、沐浴布273円、スタイ578円、靴下326円、ヒヨコの帽子1,570円、入院用のガウン5,229円、合計19,967也。
平成10年11月14日
既に妊娠8カ月に入っている。前々から妊娠8カ月に入ったら髪をカットしようと決めていたので美容室に出掛ける。出産したら暫くは美容室になんかいっていられないだろうし、かといって臨月に入ってからではシャンプー台で仰向けになるのがきつくなるだろうと予想して、チャンスは8カ月!と考えたのだ。
ところがこのとき今まで行っていたところがつぶれてしまっていて、こんな体(?)で初めてのお店に行くことになる。
案の定シャンプー台は結構きつい域に入っていた。運の悪いことにその店のシャンプー台は足の置き場がなくて、背もたれが倒れると同時に足がぶら下がってしまうのだ。
うー、お腹が突っ張るー!コドモも「急に狭くなったぞ」って思ってるかも。
当然美容師さん(あ、今はスタイリストっていうの?)も初めての人で、おまけに独身男性だったから「あ、あのー。急に産まれたりしませんよね。」なんて妙に心配そうで。「まだ8カ月だから大丈夫ですよ。それになんかあったら病院すぐ近くだし。」と答えるものの、なーんか落ち着かなくなってしまった。カットのあとは再び突っ張るシャンプー台で切った髪を流して、ブローして無事終了。カット代3,990円也。
マタニティ割引は…あるわけないか。
平成10年11月16日
そろそろ肌寒くなってきたのでタイツもあるといいかも。とりあえずお試し用に1足、それから薄手のセーターを購入。マタニティタイツ1,365円、セーター3,045円、合計4,410円也。
平成10年11月17日
第6回健診日。前回の健診日から3週間である。この日を境に4週間毎だった健診のサイクルが短くなっていく。
腹囲の測定をすると87センチ。立派な妊婦に成長したものである。超音波エコーで胎児の様子を見る。かなり出来上がり(?)が近づいているらしく、形はすっかり赤ちゃんである。先生が顔のアップの写真を撮ってくれた。真正面を向き、あごのすぐ下に小さなコブシが二つ見える。はっきり写ったその顔は、まあ!なんて可愛い私の天使!ではなく、お昼寝中の小錦であった。
この日はいつもの検査に加え血液検査があったので検診費10,800円也。
平成10年11月26日
第4回母親学級に参加。最終回である。この日の内容は分娩の準備と経過、無痛分娩について、呼吸法、質疑応答であった。
母親学級の帰り、この前買ったタイツがなかなかよかったので追加で購入。割引セールにつられてセーターも購入。マタニティタイツ1,092円、セーター2,436円、合計3,528円也。
平成10年12月1日
第7回健診日。前回の健診日から2週間。そろそろ8カ月も終わりに近づいてきた。この頃になると胎児は頭を下にして落ち着くものらしい。私のお腹の中の住人も素直に逆さまに収まっているようだ。母子手帳には“頭位”というハンコが押されていた。
この日の検診費4,660円也。
平成10年12月8日
通販で身長計つきバスタオルを購入。このバスタオルに寝かせて毎月写真を撮ったらいいかも。
身長計つきバスタオル2,888円也。
平成10年12月15日
第8回健診日。妊娠9カ月も半ば。2週間毎の健診だとしょっちゅう病院に行ってる気がするけれど、10カ月に入ったら今度は毎週になるのだ。
この日も特に異常なし。順調である。検診費4,220円也。
帰宅途中で育児雑誌購入。付録のカレンダーが欲しかったんだもん。育児雑誌600円也。
平成10年12月18日
本当は年内いっぱい通勤するつもりであったがGIVE UPしてしまった。体調はそんなに悪いわけではないのだが通勤そのものがつらくなってきたのだ。まず、突き出たお腹で足元が見えにくく駅の階段の上り下りにも神経を使う。まして雨の日は滑るのを恐れてなおさら慎重になる。そして冬物のオーバーコートはマタニティウェアをすっぽり隠してしまい、満員電車の中ではただの太った人にしか見えなくなるので自己防衛がしづらくなる。とにかく会社に行くことそのものが大仕事なのだ。
仕事だけでなく、日常生活にしても買物も満足に出来ない状態になっている。重いものを持つとお腹に力が入ってしまうので、1回の買物の量は片手でラクに持てる範囲内。歩く速度も遅くなり、同じ距離でもいつもの倍の時間がかかる。
そんなわけで予定より1週間早く産休にはいる。
平成10年12月19日
スリップはマタニティ用を買わずに済ませようと思って頑張っていたのだが、さすがにお腹周りがパンパンになってしまった。仕方がない。買うか。ついでに入院用のスリッパとタオルを購入。
マタニティスリップ1,890×2枚=3,780円、スリッパ399円、タオル525円、合計4,704円也。
平成10年12月20日
妊婦に対してもさることながら、新生児にたばこの煙は禁物。ところが夫はヘビースモーカーである。これを機会にたばこをやめる…なんてことは出来るはずもなく、思いきって空気清浄機を買うことにした。
それから部屋の乾燥も気になっていたので一緒に加湿器も購入。
空気清浄機35,700円、加湿器9,240円、合計44,940円也。
平成10年12月22日
私は近視で、普段はコンタクトレンズを使っているのだが、入院中や退院後の忙しさの中ではメガネが必要になるだろうと考えて新しいメガネを購入。それまでは就寝前の30分くらいしか使わないので10年も前に作った既に度の合わなくなった眼鏡で済ませていたのだ。
10年ぶりの新しい眼鏡19,950円也。
平成10年12月23日
寒い冬の夜中の授乳にこれは絶対便利!と思って授乳口付きのパジャマを購入。パジャマ4,715円也。
一緒に買物に来た母にベビー布団を買ってもらう。
平成10年12月28日
第9回健診日。妊娠9カ月最後の日で、年内の健診も最後だ。いつもの先生の予約が取れなくて、初めての先生に診てもらう。出産時はどの先生にあたるかわからないのでそれまでに出来るだけ多くの先生の顔を知っておくのもいいだろうとも思っていた。ところがこの先生、「あなたあんまり背が高くないから赤ちゃん大きくしすぎると帝王切開になっちゃうよ。」とのたまった。それまでそんな話しは全く出なかったし、ずっと順調、順調と言われ続けてきたのでビックリ。自分ではすっかり下から産むつもりでいて、それ以外のことなんか全く考えていなかったのに。一瞬頭がパニックになって何故背が低いと帝王切開になるのか質問が出来なかった。結局なんの問題もなく出産したが、その理由は謎のままだ。
この日の検診費4,220円也。
平成10年12月31日
既に買ってある赤ちゃんの肌着。そのままだと糊がついていて堅いので洗濯しておくことにする。赤ちゃんの肌着用洗剤と紙おむつを購入。肌着用洗剤851円、紙おむつ1,344円、合計2,195円也。
お腹が大きいことを言い訳に、今年の大掃除は中掃除くらいで終了。だって床のぞうきん掛けはホントに辛いんだってば。
平成11年1月4日
第10回健診日。妊娠10カ月に入っている。腹囲93センチ。スイカ泥棒状態である。
胎児の方は順調だが私の方に異変が出た。足にむくみが出てきたのだ。足のすねを親指で10秒くらい押してから指をはなす。すぐ戻ればよいのだがむくみが出ていると皮膚がへこんだまま戻らないのだ。むくみは妊娠中毒症の一症状で塩分の取り過ぎ等によっておこる。とにかく食事の塩分を減らしてむくみを取るように指導される。
この日の検診費9,750円也。
平成11年1月11日
第11回健診日。
この1週間、薄味の食事を心掛けていたのでむくみはかなりよくなっている。
内診で子宮口の開き具合をチェックされる。既に2.5センチ開いているらしい。順調な証拠だそうだ。
この時期に入るといつ産まれてもOKな状態らしい。そろそろ心の準備をしなくちゃね。
この日の検診費4,220円也。
平成11年1月18日
むくみは前回よりもよくなっている。しかし子宮口の開き具合は前回と変わらない。この頃になるとお腹に張りが感じられてきて出産が近いことが予感されるらしいのだが、お腹の張りは感じられない。出来るだけたくさん歩くよう指導される。
出産が近づくと胎動が減ると聞いたことがあるのだが、減るどころかますます元気なので先生に質問したところ、今は出産間近でも胎動は減らないというのが一般的な考えだそうだ。
この日の検診費4,220円也。
出産予定日まであと9日だ。
平成11年1月25日
予定日をあさってに控えているというのに夫が出張に行ったので、私を一人にしてはおけないと昨日から泊まりに来ている母と病院を訪れた。これが最後の健診になるだろうか。
先生の話しによると出産準備は順調に進んでいるので、あとは陣痛さえ始まれば順調なお産になるだろうとのことだ。一昨日くらいから突然足の付け根が痛くなって立っていられない状態になることが何度か起きているので自分でも出産が近いことが予感される。胎児が下がって来ているのだ。
しかし予定日より遅くなることだって有りうる。その場合、妊婦が20代なら予定日より2週間まで待つが、30代なら1週間遅れたら陣痛促進剤を使うそうだ。30代は胎盤の機能が落ちるのが20代に比べて早いからとのこと。なるべくそうならないように予定日には産みたい!ふつう初産は予定日より早まるというが今はまだ陣痛が始まる気配はない。
この日の検診費4,220円也。
一応次週の予約をして帰宅する。期待と不安と不安と不安が入り交じるー!!
出産予定日まであと2日だ。
帰宅してしばらくすると、今日家に帰る予定の母に代わって陣痛番をしてくれる妹が来た。
3時も過ぎたことだし、妹のお土産のお菓子でお茶でも飲みましょうとお茶を入れ、ひとくち目をすすろうとしたその時、お腹のなかで“ガボッ!”っという音がした。初めての経験にもかかわらず私にはすぐにわかった。
「あっ!破水したー!!!」 |