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Children in the ASIA
第2回ベトナム
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インドの人口  約10億人
学齢児童(6―11歳)  約1億5千万人
そのうち学校へ
行っていない児童
 約1370万人(うち女子800万人)
*資料提供2000年ユネスコ世界教育報告(World Education Report 2000)
階級社会

インドに何度か来て感じるのは、カーストも含めた階級社会の存在です。最初のころ驚いたのが、人を使うことと、人に使われることを、ある程度、当然のこととして受け止めていることです。これは他の多くのアジア諸国にもあてはまりますが、私個人の感想では、日本のような平等社会は、この地域ではほとんど例外だと言えると思います。日本でそれが完全に実現されているとは言えませんが、少なくとも「平等であるべき」という価値観はあるでしょう。この点、日本から海外への駐在経験者の多くの方が、「人を使う」という経験がほとんどなく、使用人を雇うことの戸惑いを持たれたと思います。


ストリートチルドレン

さて、インドには裕福層のいる反面、大多数の貧困層の生活は大変です。今回は、ストリートチルドレン (Street Children) を取り上げます。直訳すれば「通りの子供」ですが、浮浪者の子供版です。大人に比べて大きな問題となるのが(1)親に捨てられたりして、自分の意思に関係なく路上で生活せざるを得ないこと。自分の意思で家を出た子供にも家庭が原因による場合が多い。(2)麻薬や売春の危険にさらされていること。これはエイズの危険にもつながる。さらに、(3)学校へ行けず基礎教育が受けられない。したがって成人してからの就職がむずかしくなる。などがあります。

デリーにて

昨年(2000年)12月にデリーを訪れた際に、地元のスタッフと市内を歩きました。デリーは旧市街であるオールド・デリーと、イギリスの植民地時代に出来たニューデリーがあります。旧市街は、ごった返しており、通りを歩くと、物乞いをする子供や大人、子供連れの母親に会います。私自身が直接プロジェクトにかかわっているのではないのですが、今回、同行させてもらいました。

たいていのプロジェクトの場合、路上の子供の保護、施設に収容して健康や栄養面の処置、社会復帰のための教育が主な仕事です。何よりも子供たちとの対話が大事。話を続けるうちに、生い立ち、路上生活の理由を聞いていきます。絵を描き、歌を一緒に唄うなど、子供の興味を惹きつけることも大事です。物乞いをする子供には食べ物を買って、その場で食べさせます。というのは、大人に無理やり物乞いをさせられ、集めたお金をあとで「集金」されてしまうからです。今回もスーパーでクッキーやミルクを買って一緒に食べました。

ある程度心が打ち解けた時点で、施設への保護を進めます。施設のことを避難場所という意味でシェルター (shelter) と呼びます。ストリートチルドレンに対する教育で難しいのは、子供たちが転々としていることです。一度保護しても、数日で施設を出てしまい別の街へ移るため、続けて教育や栄養のケアをしてあげられません。ストリートチルドレンにとって、シェルターは「家」ではなく、各地を転々とする際の宿のようなものですから、なかなか一ヶ所に定住できないのが多くのケースです。特に、街中の刺激に慣れてしまうと、室内での生活に単調さを感じる子供が多く、彼らはまた街へ出てしまいます。





ストリートチルドレンは、多くの途上国が抱えている問題です。日本でも、最近、子供を巡る問題が続発していますが、子供たち自身に選択肢がない、というところが、日本での青少年問題とは、根本的に違う気がします。生まれてから学校にも行けず路上で一生を送らざるを得ない人々がいるという現実を目の当たりにすると、暗澹たる気になります。

この分野では、ユニセフ(国際連合児童基金)や Save the Children Fund など、多くの国際機関やNGOが活動しています。

ユニセフ:www.unicef.org
Save the Children Funds (UK, US, Sweden, Japan などがあります)
Childhope Asia (Manila, Philippines)
[コラム]しゃべるインド人

「このシリーズ<Children in the ASIA>について」でもアジアの多様性を強調しましたが、その代表格がインドといって良いでしょう。これほど「混沌」という表現のあてはまる国はないのではないか、と思います。10億の人が住み、16の主要言語があります。ヒンズー教が主ですが、イスラム教、仏教、キリスト教徒もいます。貧富の差が極端に激しく、超金持ちもいれば、一日100円以下で生活する人の数も億単位です。

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インド人は良くしゃべります。その自己主張と押しの強さは、いつ相手の話を聞いているのかなと思うくらいです。そんなインドをネタにしたジョークをいくつか紹介します。

国際機関の職員:「地域会議の成功の秘訣は、いかにインド人を黙らせて日本人にものを言わせるかだ。」

旅行ガイド:日本では、バスに乗ると、「運転の邪魔になるので運転手に話しかけないで下さい」と表示してあります。一方、インドのバスの表示は、「運転手がしゃべりかけても、応えないで下さい。」とあります。

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最後に、インドにはまるパターンとは:「インドに着いた初日に、その汚さ、混雑に参ってしまって、すぐに逃げ出そうとする。でも気がついたらひどい下痢で全く体が動かない。しかたなく4-5日いると、徐々に慣れてきて、2週間もすると、その混沌さが快感に変わってくる。」
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